第一弾では、体の向きとルックアップについてお話ししました。
今回はそれらがどう活かされるかの例を紹介します。
前へのパスとドリブル。
すごく簡単にやっているように見えませんか?
理由は単純で、前を向いているから、前を見てるからできるんです。
当たり前すぎますよね?
そう思われた方、それで正しいです。
当たり前なことを当たり前にできる。
簡単なことを簡単にできる。
それが基礎なので。
前回の最初に
「誰でも真似してできるようになる」
と書きましたが、
なぜ誰でもできるかというと、
スペインでは小学生でも教えているような基礎だからです。
もちろん意識して練習を重ねないと覚えられないものですが。
パスだけでなくドリブルも
真似できないようなすごいドリブルをしてるわけではない、
また、特別足が速いというわけでもないのに、
簡単に縦に運べてるように見えます。
その秘密はドリブルそのものよりも実はトラップにあって、
よく見てみるとトラップで相手の守備をかわしてるんですよね。
ある意味、トラップがドリブルの始めになっているような感じです。
どういうトラップかと言うと、
「コントロール・オリエンタード」っていうトラップをしてます。
ざっくり言うと、
足元に止めないトラップ、
次のプレーを考えたトラップです。
このトラップの利点は何かというと、ずばりスピードです。
スピードが上がる理由の一つは、
トラップでボールを動かすことでボールと体が静止せずに動くのでスピードがでる。
これは物理的な面でのスピード。
もう一つは、トラップする前に次のプレーを考えているので、
チーム全体のプレー・スピードが上がります。
物理的なスピード+シンキング・スピードですね。
スペインのスピードが速いのは、
別に足が速いわけじゃなくて、
このプレースピードが速いんです。
ただ、次のプレーを考えたトラップというのは、
当然パスを受ける前に
味方や相手の状況、スペースなどを
見て、考えて、準備していないとできない。
なので、前回話をした体の向きやルックアップとも
すごく関係性が高い技術と言えます。
動かすトラップだけを練習しててもダメなんです。
パスを受けるときの
体の向き、
ルックアップと見ること、
そして次を考えたトラップ。
この3つの基本だけでもしっかりできるようになると、
相手の守備の立ち位置が甘くなったときや、
スペースができたときにそこを比較的簡単につくことが可能になります。
また、相手の守備のプレスをかわすのにも役立ちます。
ただ、守備もバカじゃないので、
普通は当然そこをやられないように守ってくる。
では、そういうときにはどうするか?
この続きを次回お話ししたいと思います。
お楽しみに〜。