メッシ、異次元。解説その2
この動画の中のメッシの動作について解説。その2。
まずは動画を見てから。そして、順番に読んでくださいね。
ボールタッチ
同じタッチ数(8回のタッチ)でどれだけ進んでいるかの比較。
(どれも9回目のタッチの直前で動画を止めてます)
メッシ
同じタッチ数で進む距離がこうも違う。
最も顕著な他の選手との違いは、たぶんメッシの7回目のタッチのところ。棒を回りきる最後のタッチ。
他の選手たちはたいていあそこでもう一度ゆるいタッチをしてから次のタッチでスピードを上げてる。
別の言い方だと、他の選手が完全に回り切ってから加速に入るのに対し、メッシは回り切る直前から加速に入ってる。
この部分だけでもメッシは1タッチぶん効率がいい。
ジャンプのところでも着地後のタッチがメッシの方が1ステップぶん速いのと同じ。
となり(画面の奥側)でピケがほぼ同時にスタートしているけど、途中までは並んでる。しかし、メッシの7つ目のタッチのところで一気に差ができる。
ボールを使わない、素で走るところでもこの2人がほぼ同時にスタートしているが、そこではほぼ同じスピード。短距離の足の速さはそんなに違いはない。
つまり、ボールを使ったり動きが複雑になればなるほど、単なる足の速さ以外のものが影響する。
技術的な面で言うと、アウトサイドでもしっかりスピードアップするタッチができるのが、他はなかなかできない。(その発想がないだけだろうけど)
試合では同じ姿勢からアウトサイドでパスを出すことも。
他の選手のように回りきってからスピードアップするのに対しては守備も予測ができる。
守備の選手がよくメッシにやられてしまうのは、このタッチとスピードアップに対して予測ができていないから。予測しすぎると、逆をとられるし。
ボールタッチをミスったり、ボールタッチの判断を間違ったりすることが他の選手と比べて圧倒的に少ない。
ボールタッチの質についてはまた後で解説します。
ここでも先を読んで、事前に次はどうすべきかを考えることが、スピードにつながっている。
そして、そのあとにそれを正確に行えるかどうか。それがボール技術や体の使い方。
技術やフィジカルが先ではない。