ちょっと早いですが、決勝戦の予想を書きます。
予想フォーメーションとメンバー
まず予想フォーメーションとメンバーから。
アルゼンチンは、準決勝で用いた3ボランチと攻撃的なMFがフラットに並ぶ4-4-2が当たりましたね。攻撃時は両サイドバックを上げて、3-4-2-1のような形で攻める変則フォーメーション。守備時はハードワークできるMFをメッシの後ろに置くことで守備の弱点をカバーし、攻撃時は後ろと中盤に人数をかけてポゼッションをはかる。さらに4-4-2の守備時からカウンターでは2トップに素早くボールを入れてメッシとアルバレスの力で突破もできる。サイドバックやサイドハーフの運動量がとてつもなく要求されますが、モリーナなどそれができる選手がいるのも強みです。
情報によると、4-4-2、4-3-3、3-6-1など多くのフォーメーションを試しているそうですが、試合の状況やその時の選手によって使い分けそうです。ただ、スタートは前回はまった4-4-2でいくのでは?
メンバーもおそらく準決勝から変えずに、出場停止だったアクーニャが左サイドバックに入るくらいじゃないでしょうか。
ただ、4-4-2も研究されてるはずなので、それを嫌がってその裏をかいてくる可能性もありますね。
フランスはずっと1ボランチの4-3-3で、決勝でもまず変えないでしょう。
メンバーは体調不良の選手がディフェンス陣に相次いでいるようなので、そこが不安材料。準決勝を欠場したラビオとウパメカノは戻って来れそうですが、準決勝で活躍したコナテだけでなくDFの要のヴァランまで不良だとすると、かなり痛手です。(情報戦の可能性もなきにしもですが。)ただでさえ怪我人が多い守備ですが、最悪の場合右バックのクンデが元々CBの選手なのでCBに入り、右に前回の優勝メンバーでもあるパヴァールが入るという手もあるんですよね。どれだけ厚が厚いんだか。
大きすぎる先制点
決勝戦では当然先制点が大きく影響します。
この30年の7大会中、ワールドカップの決勝で先制したチームが負けたのは、2006年のフランスの1回だけ。ただし、この時はPK戦での敗退でした。
先制したチームが同点に追いつかれたのは、この時のフランスと前回大会のフランスのみ。前回大会ではフランスがその後突き放して優勝。
このように、先制点を奪った方が圧倒的に優位と言えます。
さらに言うと、直近7大会中5回は負けたチームは無得点。先制点を奪うことよりも、先制点を与えたくないという考えから慎重な戦い方になった結果です。一発勝負の難しさですね。
アルゼンチンはここまで全て先制ゴールを奪って勝ち上がってきました。(逆転された初戦のサウジアラビア戦を除いて)。ただ、そのサウジ戦とオランダ戦では追いつかれてもいるので、必ずしも逃げ切りが得意なわけでもありません。先制されたり、または追いつかれた後に再び突き放すだけの攻撃力があるかはここまで正直微妙です。サウジ戦の後半のような展開だけは避けたいところ。
3-0で勝った準決勝のクロアチア戦でも、最初の2回の決定的なチャンスをゴールに結びつけられたのが試合の流れに大きく影響しました。アルバレスの2ゴール目のように、こればかりは運もありますし。ただ、決定力の高いFWがスタメンにいるのは大きいですね。
攻撃的な途中交代選手では、ラウタロ・マルティネスやディ・マリア、ゴメス、コレア、ディバラなど実績のある選手が揃ってはいますが、今のチームにはフィットしきれてなかったり、最近は結果が出ていないので不安が残ります。(個人的にはラウタロの活躍に期待していますが。)
一方のフランスは、初戦のオーストラリア戦では先制されるも4ゴールを奪って逆転勝ち。グループリーグ最終戦ではメンバーを落としてチュニジア相手に0-1の完封負け。それ以外はこちらも全て先制点を奪って勝ち上がってきています。
前回大会でも、フランスはグループリーグから決勝まで引き分けの試合以外は全て先制点を奪って勝ち上がってるんですよね。
フランス相手に先制点を奪われると、かなり逆転は難しい。さらに、フランスの場合、逆転したり、(イングランド戦のように)追いつかれても突き放すくらいの強力な攻撃力も持っています。
攻撃的な控え選手としてはテュラム、コロムアニがここまで一番二番手。二人とも準決勝でも途中出場から追加点に絡んだので、調子は⤴️。二人とも攻撃的なポジションならどこでもそれなりにできるユティリティ性も持ってます。コマンも1対1に強いいいウインガーなので、コンディションがよければ出場する可能性がありそうです。
途中出場から貴重な先制・決勝点を挙げた2014年のゲッツェのように、両チームとも途中出場の選手の活躍も鍵になりそうです。特に今大会は交代枠が多くなっていますから尚更ですね。
序盤の展開は...
アルゼンチンもフランスもそれほどアグレッシブにハイプレスをかけるチームではなく、どちらもハーフウェーライン付近からのミドルプレスくらいで対応するでしょう。
両チームのとも、相手の攻撃の選手に対しては序盤からかなり厳しくチェックに行くはずです。ここで審判のジャッジングを様子見ながら、どれだけ激しく行っても大丈夫かを見極めて守るように持っていきます。
場合によっては序盤にイエローカードが出たり、ジャッジングに対するアピールも多く出て、ちょっと緊張感のある序盤になると思います。特にアルゼンチンは執拗にジャッジとの駆け引きをするでしょう。フランスはしれっとやります。
両チームの守備力を考えると、最初はアルゼンチンがボールを保持するような展開で、徐々にフランスが攻撃でリズムを作っていくような感じになりそうです。準決勝ではアルゼンチンはその劣勢の時に先制点が奪えたので、劣勢になっても反撃にチャンスを作りたいところ。フランスはこれまで前半の比較的早い時間帯に先制点を奪うことが多いので、早く先制点が取れれば楽になるし、取れないと少し苦労するかもしれません。
フランスはエンバペが最初は大外でプレーし、徐々にハーフスペースに入ってプレーすることが多いので、ゴールがなかなか奪えない場合は、そうやってアクセントをつけて攻めると思います。
アルゼンチンは、(ご存知の通り)メッシ中心の攻撃です。ちなみに、メッシは守備が整っている前半の序盤はシンプルに簡単にプレーします。よっぽどのチャンスでもない限り、スーパーなプレーを出そうともしません。相手の守備が整っているうちは効率的に、シンプルにプレーして相手の陣形を崩すことを狙い、相手の守備陣形に隙ができた時に一気にその牙を剥くのがメッシ流の崩し方。
おそらくメッシは序盤は中央のやや右あたりにポジションをとり、徐々にふらふらとポジションを変えつつボールを動かし、前半30分過ぎくらいからギアを上げていくでしょう。クロアチア戦でも見たように、ギアが上がったメッシはグヴァルディオルでも止められません。フランスとしてはギアが上げさせないように複数で包囲網を作って徹底的に対策してくるでしょう。
メッシ対エンバペ
メッシは決勝戦に出場するだけで、新たなワールドカップの記録を塗り替えることが確定しています。もし優勝できれば、これ以上はないキャリアになりますね。
エンバペはそのメッシが作るであろう記録を今後塗り替えられる可能性を持った唯一の選手。
PSGのチームメイトであり、新旧のスーパースターの最後で最大の直接対決として、後世に語り継がれる試合になるかもしれません。
ゲームとしても、メッシとエンバペは同じサイドでプレーすることになるので、ここのサイドで主導権を握った方が勝利により近づくと言えると思います。
最後に予想
メッシとアルゼンチンとしては、前回大会でフランスに敗れて敗退したことや、ブラジル大会での決勝戦での敗戦を払拭したくてたまらないでしょう。
フランスには1962年のブラジル以来の連続優勝という大記録がかかってます。(実に60年間なかった記録!)
個人的にはアルゼンチンを応援したい気持ちがありますが、総合的に考えるとフランスの有利は揺るぎません。
アルゼンチンが勝利するには、... 完璧なゲームプランを持ち、ミスのないゲームをし、かつジャッジや観客の応援、相手の怪我・体調不良などの不運さえも味方につけて、運が転ぶしかないと思います。(同じようなことを準決勝の前にも言ったなぁ😅)
予想は、2-0でフランス。
最後の最後に、どちらが勝っても負けても、試合後は相手へのリスペクトに溢れたいい決勝戦になると予想します。
審判はめちゃくちゃ批判されるでしょうけど(笑)。
以上予想でしたー。お楽しみに〜。