コーチのよそには見せたくないブログ

フットサル サッカー 

スキャニングとKeep Looking

www.footballista.jp

 
 f:id:yosomise:20200127191103j:plain

認知の改善方法について解明するために、私はノルウェーの大学と研究をしていたんだ。大まかに言って、ボールを受ける前にできる限り多くの情報を集めることが重要だという結論に達したね。私はそれを『スキャニング』と呼んでいるよ

f:id:yosomise:20200127191203j:plain

f:id:yosomise:20200127191103j:plain

興味深いことに、優れた選手やとても優れた選手はボールを受ける前の10秒間で6〜8回スキャニングを行っているが、平凡な選手は3、4回しかスキャニングを行っていないんだ。そこには大きな改善の余地があることが判明している

f:id:yosomise:20200127191203j:plain

f:id:yosomise:20200127191103j:plain

偉大な選手はボールから切り離されていても、頭をレーダーのように働かせているんだよ

f:id:yosomise:20200127191203j:plain

 

フットボールはどんなスポーツか?

 

テクニックやフィジカルだけでなく、

「見る」能力が選手の優劣にも関わる。

 

フットボールの特性を考えてみれば当然のことです。

 

たとえば野球と比べてみると、

野球では守備者はボールが飛ぶまで基本的に動かないですよね。

しかも打者は守備のポジショニングを見ていられる時間がたっぷりある。

 

野球の攻撃では塁に出た選手が投球中やその前後に動くことはありますが、

それでもその人数や動きのバリエーションなどは

フットボールの味方の動きと比べればかなり限定されたものです。

 

野球では打ったら必ず1塁に走らないといけないですが、

一方、3塁に走ってもいいし、2塁でも外野でも、

それこそ走らなくたっていいというのがフットボール

 

多くの人数の選手やボールが

プレー中に自由に動けるフットボールの中は混沌とした世界です。

 

フットボールの現場はまさにカオス状態。

 

なので、

フットボールは秩序のあるカオス

とも言われます。

 

秩序のあるカオス

 

カオスは混沌。

 

では、「秩序」とは何かというと、

自由ではあるが、ある程度のルール条件

それからその上でのプレーの原理原則の上で動いているということ。

 

簡単に言うと、ルールと戦術ですね。

それがあることによって自由にプレーしているのに秩序がうまれて、

めちゃくちゃなことにはならない。

 

逆に、サッカーの基本的な原理・原則を知らない

素人が22人集まってサッカーをやるとたぶんめちゃくちゃになります。

 

また野球を例にもってくると、

野球をまったく知らない人が野球をやると

驚くことに打ったあとに1塁ではなく、3塁に走ったりします😅

 

ゲームのルールやプレーの原理・原則を知らないと、

そんな感じでめちゃくちゃになります。

 

交通で例えると、フットボールはこんな感じのスポーツ↓

😵  🚗🚘🚙🚌👫

 

秩序のあるカオスの中で生き抜くために

 

秩序のあるカオスですね。

 

よく事故が起きないものです。

 

左右上下から目まぐるしく来る自動車、バイク、歩行者。

それぞれ自由に渡っているように見えますが、

右側通行とか、 直進優先とか、歩道では歩行者優先とか

ある程度のルールはあるようです。

 

それらがあるから信号機がなくても秩序が保たれているし、

もしないと本当にめちゃくちゃになって事故が増えるでしょうね。

 

事故が起きないためにもう一つ大事なことは何かというと、

それは見る👀ということ。

 

当たり前ですが、こんな交差点を渡るときに

ボケーっとしてたら簡単に死ねます。

 

それこそ命がかかっているので、

ドライバーも歩行者もすごくよく周りを見てるし、

そして状況判断をしている。

 

交通ルールを無視するのは当然危険ですが、

どんなに運転技術があっても、

周りを見て状況に合わせて運転しなければ危険でしかありません。

(そういう勘違いをしたドライバーがたくさんいますね😡)

 

フットボールでも同じで、

技術があるだけ、

ルール戦術を知っているだけではダメで、

常にいい状況判断を心がけないといいプレーはできません。

 

周りも見ないでパスを受けたり、ボールを持っていれば、

交通事故に遭うように敵のタックルを簡単にくらってしまうでしょう。

 

昔、あるサッカー解説者がこう言っていました。

 

「(タックルをされて)ケガをするのは自分が悪い。

周りを見ていないから(タックルをされて)ケガをするんだ」

 

ブラジル🇧🇷ではこう言われるそうです。

 

ルールがあることでケガから守ってはくれるけど、

それは完全ではありません。

 

ルールを無視するようなタックルも中にはあるから。

 

フットボールをやるのならルールに頼っているようではダメで、

最後に自分を守れるのは自分自身しかないということを認識しないといけない。

 

これがテニスやゴルフといったスポーツなら

ルールや条件的に接触で怪我をすることはありえません。

 

しかし、フットボールの条件は違います。

いつでも他者との接触が起こり得る条件なのがフットボール

 

そして、フットボールの世界はカオスです。

 

戦術も同じで、

戦術を知っているだけではあまり意味がない。

 

知識だけではほとんど役に立たないものです。

 

机上の理論のように

そんな都合よくいつもボールも相手も味方も動いてくれませんから。

 

カオスの中でいいプレーをするためにも、

それからケガを防ぐためにも、

最後は自分自身で周りを見て判断しないといけません

 

まずは量を増やすこと

 

見たものをどれくらい正しく解釈できるか、

見て得た情報をどれだけ素早く処理できるかというのが

「状況判断の質(クオリティ)」。

 

読解力みたいなものです。

 

クオリティをいきなり上げるのは難しいですが、

その量、とくにボールを受ける前に周りを見る回数を増やすことは

誰でも改善が可能だと記事の中でベンゲルは言っています。

 

 

これは意識次第で誰でもすぐに取り組むことができます

 

例えば複数人でのパスの練習でも、

自分がパスを受ける前に次にパスを出す相手を見てみる。

 

体の向きが悪ければ、

ちょっと次の方向が見られるような向きにしてみたり、

または首を振って見てみる。

 

練習でもそんな小さなことから取り組むことが可能です。

 

これなら誰でも可能ですよね。

 

でも、実は経験者でもそれが習慣化されていない人も意外と多いです。

 

テクニックの部分は具体的に目に見えるので

ミスやできないことは誰でも気づきやすいけど、

見るという部分は自分や他人には気づきづらいので、

意外とやっていないことに気付いていないことがよくあるものです。

 

サッカーの試合の中継を見てても、

選手のボール扱いの部分に注目して見てる人はいても、

選手がいつ・どこを見てるかなんて気にする人はほとんどいませんよね。

 

気づきづらいものだからこそ、意識して取り組むことが大事。

 

食わず嫌いにならずに

自分ができそうなところから徐々に増やす

 

試合でも、ボールが目まぐるしく動いしているときに

常に周りを見るのは難しいかもしれないけど、

例えばボールがアウトオブプレーになったとき

(ボールがラインの外に出たり、ファールがあってプレーが中断したとき)

そういうときは周りを見られる時間的な余裕があるので

そういう時だけでもトライしてみる。

 

そういう自分ができそうなところからトライしていって、

徐々に見る回数を増やしていくというのもいいと思います。

 

もっとできるような中堅者なら、

自分が普段なら見てないときに見てみるとか

普段なら1回しか見ないようなところを2回にしてみるとか

もいいかもしれません。

 

また、プレーするときには見ることを意識して、

プレーしていない時には読解力も高めることもやったほうが効果的です。

 

自分のうまくいかなかったプレーを振り返ってみたり、

フットボールの原理・原則や戦術を学んだり、

試合を見て、プロやお手本となる選手のプレーを参考にしたり。

 

 

というわけで、最高のお手本になるようなプレーをいくつかご紹介!

 

 

ベルナルド・シルバ

f:id:yosomise:20200130101059g:plain

 

 

イニエスタ

f:id:yosomise:20200130020645g:plain

 

 

ファンデビーク

f:id:yosomise:20200130102620g:plain

 

 

イニエスタ

f:id:yosomise:20200130103924g:plain

 

 

ファンデビーク

f:id:yosomise:20200130102822g:plain

 

 

チャビ

f:id:yosomise:20200130104314g:plain

 

 

チャビ

f:id:yosomise:20200130125739g:plain

 

 

メッシ

f:id:yosomise:20200130101152g:plain

 

”頭”をつかって

ピッチの上でチェスをやってますね。

 

ボール⚽️や🦵だけを見てると、今回のポイントは事に逃します。

 

さいごに

 

f:id:yosomise:20200127191103j:plain

私たちが抱えている課題は、一度ある思考回路が選手の脳に焼き付いてしまうと、私たち指導者がトップレベルの選手と話していても、脳に焼き付いた思考回路を変えるのは極めて難しいということだよ

f:id:yosomise:20200127191203j:plain

 

一度身についた習慣や考えを変えるということは難しいことです。

 

それこそトップレベルの選手でも。

 

トップレベル、アマチュアに関係なく

選手は基本的に誰でも頑固で、

自分が心の底から納得しないと本気で行動しないもの。

 

そして本当に自分が必要としているもの、

それから自分が欲しているものが何なのか意外とよくわかっていないもの。

 

必死にそれらを追い求める人もいれば、

早い段階で途中でやめてしまう人も。

 

ネットでもYoutubeでも簡単に答えを教えてくれるものがたくさんありますが、

それを見て、答えを知ったことが変わることにつながることはないと

個人的には思っています。

 

人は答えをすぐに欲しがるけど、(または与えたがるけど)

答えそのものは人を動かさないから。

 

”答え”を知ることよりも自分の心の中の”疑問”や”欲望”を知ること

のほうがずっと大事だと思います。

 

f:id:yosomise:20200127191103j:plain

 

And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settleAs with all matters of the heart, you'll know when you find it.

Steve Jobs

f:id:yosomise:20200127191203j:plain

 

Keep looking!

f:id:yosomise:20200130142616p:plain f:id:yosomise:20200130142535p:plain