コーチのよそには見せたくないブログ

フットサル サッカー 

FWの動きの基本はプルアウェイ

最初にプルアウェイについての解説動画を。

 

 

パスを出す味方選手とのタイミングやパスラインを合わせる。

マークしてくる守備者との駆け引きでマークを外してパスを受ける。

 

簡単に言うと、FWはゴール前でこの二つの作業を同時にするわけです。

できればそうしたい。

 

この二つを同時に行うためには、

マークをしてくる守備者ボール

この二つを同時に見られる位置に立たないといけません。

 

あと、シュートを撃ちたい位置なので、

やっぱりゴールも間接視野に入っていた方がいいですね。

 

それがプルアウェイの立ち位置と体の向き。

 

なので、プルアウェイは

守備者を背負って待つようなポジショニングとは別物です。

 

 

また、マークを外してパスを受けるためには

そのための使えるスペースが必要になります。

 

 

ボール、守備者、スペース。

まずは見て、それらの情報を得ないと何も始まらない。

 

多くの人がパスを受けようとするときにやってしまいがちなことは、

ボールだけを見てパスを受けようとすること。

 

ボールを見ないとパスに合わせられないんだけど、

ボールだけを見てると、いい形でボールを受けられません。

 

 

それから、パスを受けたあとにどうするのか?

 

トラップする/しない?

どこへトラップする?

どこへシュートを打つ?

またはパスを出す?

 

状況によって、いろいろな選択肢が考えられます。

 

もちろんボールを受けてから考えて決断するのだけれども、

その前の段階でいくつかのイメージを持っていると

ボールを受けてからの判断や決断がより早くよくなります。

 

それがファーストタッチ

 

そのためにも体の向きステップが大切で、

また、ときには首を振って周りの情報を得ることも必要です。

 

 

まずは周りの状況の情報を得て、

次にその状況に合った狙いを持ち、

その狙いに合った体の向きステップを駆使する。

 

それでうまくボールを受けることができたら、

ファーストタッチで勝負。

 

 

 

ガブリエル・ジェズースを例に

 

ではここで、

マンチェスター・シティのFW、ガブリエル・ジェズースのプレーを紹介。

 

1

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ファーストタッチで守備者を置き去りにしてシュート。

 

2

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間合いが近い守備者に対して、

縦へのフェイントからファーストタッチでカットイン。

 

体の向きがパスを呼び込み、

体の向きがマークしてくる守備者へのフェイントにもなり、

そして体の向きが視野を広くして素早い判断を可能にしている。

 

3

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「く」の字のように折れる動き。

 

トラップをせず、ボールを流して

守備者から離れながらスペースで打つ。

 

上のカットインも選択肢で持っている選手が相手だと、

守備者も下手に間合いを詰めづらい。

 

トラップの前の段階で状況が理解できているから

素早く判断・決断ができる。

 

4

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ラストパスの直前でプルアウェイ。

 

前方のスペースは守備者が2人で埋めているので、

止まって、シュートコースが消される前に素早く打つ。

 

スペースは守備者の背後だけとは限らない。

 

5

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プルアウェイせずに、

ダイアゴナルの動きでスルーパスを受ける。

 

プルアウェイで背後に隠れるばかりでなく、

相手の前をとる動きだったり、

ときには相手を背負うプレーだったりを組み合わせると

守備にとってポジショニングや対応がより難しくなる。

 

6

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クロスに対して、マークする守備者の背後をとる動き。

 

前の守備者は身長195cm! しかもさらにジャンプする。

単純に空中で競るだけでは勝てないので、ポジショニングが大事になる。

 

7

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クロスに対して、マークする守備者の前をとる動き。

 

一度プルアウェイで守備者の背後に隠れるようにしてから、

スピードの緩急を変えて一気にニアのスペースへ飛び込む。

 

逆にシュートを打った選手は背後から。

 

これだけでマークを外せる!

 

ボールを持っているときだけでなく、

ボールを持っていないときに何をしてるかが大事

 

ジェズースは技術や身体能力も高い選手ですが、

ただボールを受けてドリブルでなんとかするってことはここではないですよね。

 

それよりもボールを受ける前のところですごく駆け引きをしてる。

 

それによって、いいスペース、いい形でボールを受けられるからこそ、

その次のシュートやパス、DFをかわすといったことも

より簡単になっていると思います。

 

よく言われるように、サッカーの90分間で

一人の選手がボールに触れている時間はとても短い(2分程度)。

残りの88分は守備も含めてボールを持っていない時間。

 

ボールを持っていない時間に何をするかもとても大事です。

 

FWのゴール前での動きの基本はプルアウェイ

 

一つポイントは「アウェイ」というように

マークする守備者から離れるのだけれども、

そのときに離れすぎないこと。

 

遠くに離れて(完全に)フリーになろうとすると、

ゴールから遠くなったり、シュートの角度がなくなってしまう。

また、カットインやダイアゴナルランなどの他の選択肢もとりずらくなる。

 

また、あまり遠すぎると孤立して味方からのパスが受けづらくなる。

 

最初は近すぎず、遠すぎずの距離で待ち、

味方のパス守備者の動きスペースなどの状況によって

離れたり止まったり中に切り込んだりといった

選択肢を持てるようにするのがコツです。

 

論理的な選択をする

 

ジェズースのように単純に

守備者の背後をとる/守備者の前をとる

この2つの選択肢を持つだけでも守備からするととても厄介。

 

動画を見てもらうとわかると思いますが、

どの選択肢をとるかは空いているスペースと密接に関係していて、

すごく論理的にスペースが空いている方(またはこれから空く方)

を選択していますね。

 

サッカーには偶然や偶発的なことも多々起こり得るので、

論理的な考え方がすべてだとは思いませんが、

天才的なひらめきなんて持っていなくても

論理的な考えだけで十分すごいプレーも可能だと思います。