マークの交換のやり方
マンツーマン・マークのときのマークの受け渡し(マークの交換)
やや上級者向けの内容です。
基本的なマークの受け渡し方
バックステップでマークについて行きながら、見る。
このときに下がってくる相手選手が見える。
相手選手が入れ替わるところ(上がる選手と下がる選手が平行に並んでいる)
このときに下がってくる選手に後ろにいる味方がついてきていない。
後ろにいる味方はジェスチャーとおそらく声でマーク交換を指示。
これで前の選手はマーク交換しても問題ないことを確認。
ここまでは前の選手は自分のマークについていく。
ここからはマーク交換。
前の選手は下がってきた相手選手(14番)をマークする。
後ろの選手は前に上がってきた相手選手を捕まえる。
これが一番基本的な縦関係でのマークの受け渡しのやり方。
基本的なポイント
ポイントは、
・味方との共通認識。戦術的な共有。
・予測。(相手のポジションチェンジの可能性、味方とのマーク交換の可能性)
・前の選手はマークにつきながら周りを見て情報を得る。
・後ろの選手は前の選手よりも広い視野で多くの情報を得られるので、情報の少ない前の選手に対して情報を与える。(声かけ、ジェスチャーでのコミュニケーション)
・前の選手は自分の目で見た情報と後ろの選手から得た情報で判断し、どちらの相手選手をマークするかを決断する。
・後ろの選手は最終的には位置的により危険な相手選手、または余った(フリーになった)相手選手を捕まえる。つまり、前の選手が下した決断に対して合わせる。
後ろの選手はマーク交換を予測しながらポジショニング。
前の選手がそのままマークについていきマーク交換しない場合は、下がりっぱなしにならずにしっかりアップする。
ポジションチェンジする相手の距離
縦関係のマークチェンジはポジションチェンジする相手選手の横の距離が短いときに有効。
ポジションチェンジする相手選手間の横の距離が近いときは、マーク交換すれば守備で動く距離が短くなるので効果的。
マーク交換することで走る距離が短くなり、体力を温存したり、ハイプレスをかけ続けられる。
また、それによって高い位置でボールを奪って攻撃できる可能性が高まる。
横の距離が遠くなると、
マーク交換をするときに守備が調整して動く距離が長くなる。
マークに付き遅れたり、交換に失敗すると相手に簡単に突破されてしまう。
マーク交換できなくはないが、これはかなり上級者向き。(スペインはやってる)
基本的にはこういう状況ではマーク交換しないでついていったほうがいいかも知れない。
失敗例
成功例
補足その1 マーク交換が必要になる場合
ただし、こういう場合でも、例えば、前の選手がプレスに行って自分のマークが走るのに付き遅れたときなどは、後ろの選手が合わせてマーク交換してあげたほうがいい。
より自陣ゴールに近い後ろの選手はゴールを守ることをまずは優先して考える。
補足その2 マーク交換をしない選択も
マーク交換をしないという選択肢もある。
ここでは、簡単にマーク交換ができる場面だが、フィクソが得意な選手(2番)が後ろで守れるように、意図的にマーク交換をせずにマンツーマンでマークについている。後ろにいた9番はそれに合わせてアップ。
他にも判断が遅れたときや、交換すべきか判断が迷うような場合はマンツーマンでつくことを選択したほうがいいときもある。
最後に
フットボールはチームスポーツなので、個人戦術だけでなく、集団戦術も当然使われるし、集団戦術なくしてチームスポーツは成り立たない。
マーク交換の判断力を高めてオートマチックにできるようにすれば、それだけ守備が効率的に行えるし、それが攻撃にもいい効果を与える。
しかし、何でも機械的に動くのではなく、その時々の状況を判断して行うことが大切。
フットボールをやるのは監督でも戦術でもなく、ピッチにいる選手。
周りを見て、考えて、決断して、味方とコミュニケーションをとること。