ソラーノとシステムについてのお話
先日の日本対スペイン戦。ソラーノのプレーハイライト動画。
この選手にやられましたね〜。
このぐらいのプレッシャーだと、気持ちよくプレーされてしまいます。
日本選手も試合後に言っていたように、第1戦の前半からチームのファール数が増えすぎてプレッシャーをかけられなくなったのが一つの原因。
厳しく行けばファールになってFKや第2PKをとられるし、行かなければ自由にやられる。そのジレンマ。
守備の技術やギリギリでの駆け引き、特にピボへの守備は課題ですね。
スペイン 産のピボ
スペインのピボと言えば、かつてはパウロ・ロベルトとかフェルナンダオとか、ブラジルから帰化した選手がいましたが、ソラーノはスペイン産。
南米出身の選手ほどのクセや”えげつなさ”はないけど、技術が高いし、調子に乗らせたら怖い選手だなと改めて思いました。
いい意味でスペインっぽくない選手ですね。
2つのシステム
スペインのフットサルは代表でもクラブでもピボを置かない「クワトロ」システムでボールを保持しながら攻めるスタイルで有名ですが、それだけでなくよりゴールに直結するピボを置くシステムも併用していることが多いです。
ざっくりとそれぞれの長所と短所を言うと、クワトロはボールの保持時間を上げられるけど、ゴールが遠くなる。一方、ピボ・システムはゴールには直結しやすいけど、ボールを長く保持するのには向いていない。
今回のスペイン代表もセットでクワトロとピボを使い分けていました。
クワトロだけをやっているチームにありがちなこと
日本ではクワトロをやっているチームも多いですし、クワトロだけっていうチームも多い。
そういうチームによくありがちだなと思う話を。
この前見たあるチームの試合。
よく人が動いてパスも回るし、自陣でボールも持てるんだけど、なかなか相手陣地内やゴール前まで行けない。
やっとゴール前まで行ったと思ったら、シュートのときには必要なパワーが残っていなくて最後のシュートが打てない、打っても入らない。
そこまでの攻撃ですでにエネルギーを使い果たしてしまっているから、フィニッシュに力が入らないんですよね。
長くボールを保持しても効果的なシュートで攻撃を終われず、守備でまた疲弊しての悪循環になっていました。
フィニッシュを軽んじてはいけない
ゴール前での勝負の仕掛けやフィニッシュっていうのは、実はすごく集中力や瞬発的なエネルギーを必要とするものなんです。
ゴールを奪うためには、それだけのエネルギーを残しておかないといけない。
みなさんのお仕事でも「長時間労働」や「残業」では集中力が出せないのと同じです。
人数の多いサッカーでは比較的役割分担がしやすけど、人数の少ないフットサルではそうは簡単にいきません。
組み立てのパスのところをみんなで、全力で、一生懸命にやってるようなチームは、一見うまくいってそうに見えても結局は点がとれない。
フットボールには判定勝ちはないので、(リードしている場合を除き)点をとることが目的で、そのために効率よく攻めるってことが大事なんです。
組み立てに一生懸命になってて、フィニッシュがおろそかになっては元も子もない。
逆に、組み立ては多少手を抜いてても、フルパワーでフィニシュしてくるチームのほうがよっぽどやっかいだったりします。
また、ゴール前で、「シュート!」ってときに打てなかったり、力のないシュートだと観客として見てても盛り上がらないですよね。
ボールを長く保持することもフットボールでは大事だけれども、素早くゴールに直結するというのも同じくらい大事なことだと思います。
ピボは奥が深くておもしろい
日本のフットサルではピボに苦手意識を持っていたり、毛嫌いする人が多いと感じるのですが、ピボを置く戦術も非常に有効だと思ってます。
確かに簡単ではないですからね。
ただ、ピボって一言で言っても実はすご〜く奥が深いし、そこが難しくもおもしろいと思うんですけどね。
ピボにしろ、クワトロにしろ、最終的にゴールにつなげるってところを磨くことがチームとしても個人としても重要だと思います。
次回もこの続きを。